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ゲームに子守をさせない子育て

今21歳、18歳、12歳の3人の男の子を育てる上で最も難しかったことは、小・中学生の時に携帯ゲームを持たせないことでした。
持たせていれば男の子たちはおとなしく遊びます。怪我もしません。家も散らかりません。お友達もすぐにできます。
持たせないのであれば、親が面白い遊びを常に提供し続けなければいけません。大変です。親の創造力と行動力が鍛えられます。
でも、長男がまだ保育園児だった頃、空気がキンと冷えたスキー場で携帯ゲームをずっとしている小学生を見て、私は自分の子供に携帯ゲームを持たせたくないと思いました。
「時間を無駄にする」とか「夜中にこっそり遊ぶ」と子育ての先輩から聞いて、サンタさんへDSのリクエストがあっても、シカトを貫きました。

今年、長男が高校時代から希望していた企業から内定をもらい、次男が医学部に合格し、それぞれの夢に向かって独り立ちをしました。
ゲームを与えないで、時間や様々な機会を与え、英語を学ばせてよかったと思いました。

私の母親はテレビの視聴時間に厳しい人でした。
食事中はもちろんのこと、普段も 30分から1時間しか見せてもらえませんでした。
9時には就寝なので、当時流行っていた「ベストテン」も見られず、翌日の友達の話についていけなくて寂しい思いをしたこともありました。
でも、本当に感謝しています。
家族は楽しい会話であふれていましたし、初期のテレビゲーム(ポンというテニスゲーム)を家族でしていました。本をたくさん読みました。
毎日のように習い事や部活がありましたし、いろいろなキャンプに参加させてくれました。特にCISVという国際キャンプに参加したことは私の人生の転機となりました。

私は未だにだらだらとテレビの前で時間を過ごすことはありません。暇な時間があると、なにか学ぶことはないか、社会に貢献できることはないかといつも考えてしまいます。

この日の投稿でも書きましたが、引率をしていると、2種類の生徒さんがいることに気づきます。
シンガポールの街、発展の空気、人々、いろんなことに刺激を受ける生徒と、あまり関心を示さず、自分から話しかけるなどのアクションをとれない生徒。普段ゲームの世界に長時間いる人に多いです。
ところが、そんな後者の生徒さんたちも、ゲームやスマホを手放し、人と接することを強要されていくうちに、だんだんと周りのことに関心を持つようになってきます。

10代って本来そういう時だと思うのです。
気になる子ができたり、自分がどういう風に見られるのか気になったり、かっこよく、かわいくなりたいって思うようになったり、コミュニケーションがとりたくなる、それが自然な10代だと思いませんか?
ゲームは否定しません。面白い遊びだと思います。
うちも三男が宿題を終えたり、厳しいトレーニングが終わったりした後には、ご褒美にTV画面でゲームを短時間させてあげています。アメリカは夏休みが長いので、教育熱心な家庭は、子どもを「ビデオゲームをさせないために、忙しくさせる(keep them busy)」ために様々な習い事や活動をさせています。

昨日、三男と図書館に行った時に、三男が「子供をゲーム依存から救うための本」という本を見つけてきました。

この本は、子供がゲーム依存になってしまった親御さん、というよりも、今ゲームをやらせていいのかどうか迷っているような親御さんとそのお子さんに読んでもらいたいです。

この本の中で、もう大人になった人たち(アメリカ人)が、ゲームによって失った時間や機会について振り返っています。様々な科学研究の結果も出ています。

「ゲームをしていると指先と頭の反射神経がよくなると親に言っていたけれど、それならバスケットボールをしていればよかった」というコメントは本当だと思います。

私はもう子どもが大きいので、ゲームを長時間していた子どもがどんな風に育ったのかを見ています。でも、初めてのお子さんの時はなかなかそうはいかないでしょう。

私の知り合いで、ゲームは頭がよくなると言って、子供にゲームをたくさんさせて、御三家レベルの中学に合格させた人がが二人います。でも、二人とも20才を過ぎた今、まだ大学に入っていません。本当に頭のいいお子さんなだけに、本当にもったいないと思っています。当たり前ですが、生きていくのに必要な能力は頭だけじゃないのです。

この本の書評を見ていると、一方的だ、という批判もあります。ゲームが大好きな人にとってはそう思える本かもしれませんが、ぜひ、そういう方(大人でも子どもでも)からの反論も聞いてみたいです。まずはこの本を読んでからご意見を聞かせてください。