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8日め シンガポール人の職業事情 教育は国を豊かにする

よく、シンガポールの教育は詰め込み式で創造力を育てない、と言いますが、本当でしょうか。
どうして、こんなに世界にないものを次々と作ることができるのでしょう。
どうして、が狭くて多民族、という悪条件を克服して、豊かで平和な社会が作れるのでしょう。
シンガポールにいると、政府のリーダーシップと国民全員が力を合わせて豊かになろうとしている気概を感じます。日本の高度成長期がそうだったのだと思います。私の両親が子育てした時代に似ているなぁと思います。

シンガポール人は楽ではありません。
子どもの教育は競争が激しくてストレスがいっぱいですし、ブルーカラーはお給料が安いし、職業全般的に労働時間が世界一長いです(年間労働時間、シンガポールは2341時間で世界一 日本は年間1713時間でアメリカより少ないです)。
生徒たちが通うYPLSではランチはテイクアウトで、ランチタイムは必ずミーティングですし、土曜日も働いています。日本で言ったらブラック企業ばかりです。
フードコートであった女性の話によると、マクドナルドのアルバイト代は、時給5ドル(400円)、フードコートの調理場で働く人の月収は10万円程度です。実際に働いていたそうです。
昨日の朝、フードコートのぞうすい屋さんで、4−50代を思われる女性に何時から何時まで働いているの?ときいたら、6時45分から21時10分までって答えられて、本当に驚きました。週6日働いているそうです。移民ではなく、シンガポール人だそうです。学校にこのことを話すと、飲食関係は今、人がいなくて大変なのだそうです。

でも、教育をつけて仕事に就けば、SMU(シンガポールマネジメント大学)の法学部卒業の学生は初任給が、平均で5095シンガポールドル(約40万円以上 2016年のデータ)です。

先ほどのフードコートであった女性は、その後、夜間学校に2年通い、IT産業に就職して、10年で月収が3倍(33万円)になったそうです。日本にも観光に来てくれています。

ナンヤンの学生も去年はランチ代を出すと嬉しそうにしていましたが、今回は自分たちで出すといいます。
随所で、シンガポールの方が豊かになっているのを感じます。

そして、この豊かさは一時的なものではないと思っています。
なぜなら、この豊かさが、国民の高い教育水準の上に成り立っているからです。

教育は誰にも奪えません。そして次の世代の国を豊かに強くします。
振り返ってみて、日本の教育はどうでしょう。
私たち、中高生の親世代は、自分の親が自分たちの年齢だった時ぐらい、働いていますか? 教育をしていますか?

(今回の記事でデータを示していないものは、私が直接聞いた話で、全てのシンガポール人の姿を表しているわけではありません)