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シンガポールの英作文の授業

シンガポールに来ています。
小学5年生(3級〜準2級)の英作文のクラスを見学しています。
ひとクラスは12人。

今日は Expository Essay 意見の英作文の書き方の指導です。

「試験は廃止されるべきか( Exams should be abolished in school?) 」

昨日の授業でディスカッションが行われ、試験は嫌いだけど必要だという結論に落ち着いたそうです。

そこで今日は書き方の勉強です。

意見の英作文の書き方の基本です。

1)最初に意見をはっきり述べる。中途半端にならない。
例:試験は廃止されるべきではない。

2)次に理由を書く。試験が必要な理由を説明を加えながら書く。
各パラグラフのはじめは、指2本分空ける(インテンド)
例:
試験は知識を測るのに有効だから。
様々な問題に答える力を訓練してくれる
正しいやり方を覚えるのに役立つ
生徒の勉強する動機になる
正しい競争をウナが明日

3)しかしながら、個人的には試験は好きじゃない。(理由:ストレス など)

4)結論

日本人の生徒は、まだこの書き方に慣れていなくて、1)と4)の部分ではっきりとした意見をかけませんでした。でも、英作文の構文に慣れてもらいたいと思います。

先生がチェックするポイントの説明がされます。

  • スペルは正しいか。
  • 人名、地名は、一貫して正しく綴られているか?
  • 同音異義語を正しく書いているか?(to, too, two, your, you are, here, here, of, offなど)
  • 文法は正しいか? 自制は? 主語と動詞が一致しているか?
  • 完全な文章で書いているか?
  • パラグラフの最初を指2本分あけているか?(インテント)
  • 新しい文章は新しいパラグラフに書いているか?
  • 文頭は大文字から始まっているか?
  • コンマやピリオドなどあっているか?

一緒のクラスのタイの生徒たちは授業中にスラスラ書いてしまいましたが、日本人生徒(中2から高1)で授業中に書き終えた生徒はいませんでした。宿題です。

これが80分に行われた授業です。

みんな、よく頑張りました!

ゲームやSNSが奪う子どもの貴重な機会

先週は1週間の学校の春休みでした。
夫が仕事だったので、遠出はできませんでした。
スマホでゲームをさせてもらえない三男がとても退屈するので、ロデオに行ったり、バスケットボールのロケッツの試合を見に行ったり、友達の家を訪ねてゲームをしたり、1泊でキャンプに行ったり、図書館に行ったり、映画を見たり、家で本を読んだり(三男は、石田衣良の本を2冊、司馬遼太郎の本を2冊、漫画を10冊)、オンライン英会話を毎日やったり、ギターを練習したり、陸上のトレーニングに行ったり、Wiiカラオケをしたり、ソフトボールの練習に参加したり、20代の社員と飲茶をしたり、子どもが好きなゲームについて調べたり、行きたかったレストランに行ったり、たくさん話したりしました。英語のSNSは許しているので、しょっちゅうインスタをチェックしていますが、それでも時間はまだまだたくさんありました。

ある日、三男は友人を図書館に誘いました。
でも、彼はきませんでした。
彼は一日中、家で好きなことができる環境にいました。
今の子どもはSNSやゲームができれば幸せなのです。
確かに、お金はかからないかもしれません。
でも、その時間に、いろいろなことができたはずです。

何度も書いていますが、私は子どもに携帯ゲームをほとんどさせませんでした。
そのせいか、3人の息子たちは親が感心するくらい意欲的に育ちました。

次男はシンガポールについてすぐの中学1年生の夏休み、退屈しすぎて、ルービックキューブを始めてハマり、その夏に6面が2分ぐらいで作れるようになり、その後は30秒以内で作れるようになりました。パーティでは人気の隠し芸ですし、シンガポールの現地校に編入した時の面接で披露して入学が認めらました。
医学部の勉強とラグビー部の練習と自炊と遊びを見事に両立しています。

今年の春、総合商社に入社する長男もゲームをさせませんでした。(中学生の時はバトルでした)
今はアルバイトで稼いだ資金で1ヶ月間の世界旅行をしています。 ジョージア(グルジア)でスキーをしたり、ヒッチハイクをしたり、ドイツで国際キャンプのCISVで出会った友人を訪ねたり、今はラクロス部の友人とアムステルアムで会っているようです。インスタで伝わってくる彼の写真を見ていると、私の子育ては理想通りに終わったと安堵します。
中学生の時、ゲームをめぐる私とのバトルで、すっかりやる気を失った長男がどうしてこんなに意欲的になるのだろうと不思議なくらいです。
でも、考えられる答えは幾つかあります。

  • 私が変わった(怒るのをやめて、いつも機嫌よくしているようにした)
  • ゲームをしないかわりに、いろいろな経験をした。
  • 反抗期は彼の発育上必要な一時的なものだった。
  • ゲームのせいでニートとなった若者と話す機会を持ち、危機感を持った。

などです。

ところで、春休みのキャンプには、我が家(夫婦と14歳の息子)アメリカ人の家族(離婚した父親と2週間ぶりに会う14歳と12歳の兄弟)と三男の友人(14歳)と行きました。
難しい年頃の男の子たちです。
久しぶりに父親に会う兄弟の表情は硬く、すぐにスマホを見つめます。
三男の友人は、対人関係が苦手でやはりスマホを見つめます。
ところが、Wifiの届かないキャンプ場の水辺を歩いている時、父子は並んで楽しそうに学校のことなどを話していました。三男と友人もずっとおしゃべりしています。
男の子たちが、自然の中でリラックスしていくのがわかりました。

でも、Wifiが繋がると彼らはすぐにスマホを見ます。
長男や次男のように、彼らは何もないところから遊びや探検ゲームを作り出したりはできません。これには危機感を覚えました。たった6年の違いですが、大きな違いです。
小学校の時のDS所有率は
長男(1995年生まれ)クラスの約半分 
次男(1998年生まれ)クラスの8割
三男(2003年生まれ)クラスのほぼ全員 多くが2台以上持つ。
でした。
そんな中、ゲームを持たせないのは大変でした。きっと私以上に子どもが苦労していると思います。でも、三男は上の二人を見ているので、我慢してくれています。あと数年の我慢です。

ところで、焚き火っていいですね。
夜は少し冷えたので、焚き火をしました。寒いのと美味しいマシュマロがあるので、子どもたちも焚き火の周りに集まります。
そして、普段は話すことのないようなことを、ポツリポツリと話し始めます。
そして、お父さんも自分のことを語り始めます。
シャイな三男の友人も自分の悩みをボロリと語ります。

電気のないキャンプ場で、月のない満天の星空の下、語り合った時間は、とても貴重でした。

火を見つめていると、人は自分のことを語りたくなるのかもしれません。
シンガポールのツアーでも、無人島キャンプで、焚き火をします。








ブッククラブで「人生の意味」を考える

ヒューストンに来て、私の英語力を一番伸ばしてくれているのが、ブッククラブです。

今月の一冊は、
Man's Search for Meaning   邦題は「夜と霧」です。
入社2年目のとき、会社の同期と上司と、この本について、夜中まで会社で議論したのを懐かしく思い出します。

人は何のために生きるのか。
どのように生きるべきなのか。

私たちと上司は意見が相いれず、そのために悩み、延々と話し合いました。

私は、意見の異なる人と話し合うのが好きです。
その人を理解しようと考える過程で自分の考えが深まるからです。

実のところ、私は日本人と話すよりも、外国人と話す方が楽しいです。
日本人は考えが近い人が多いですし、異なる意見を言ってくれないことが多いからです。

人と異なる意見を持つこと、発言することを恐れないでください。
どんどん自分の意見を言って、相手の意見を聞いてください。
自分の考えが変わることを楽しんでください。


私が好きな一節をいくつかご紹介します。

Everything can be taken from a man but one thing : the last of the human freedom - to choose one's attitude in any given set of circumstances, too choose one's own way.
ひとは、人間から全てを奪うことができるが、たった一つ、奪えないものがある。それは、与えられた環境でいかに振る舞うかという、人間としての最後の自由である。

It is this spiritual freedom, which cannot taken away, that makes life meaningful and purposeful.
この誰にも奪われない、精神の自由こそが、人生に意味と目的を与える。

If there is  a meaning in life at all, then there must be a meaning in suffering. Suffering is an ineradicable par of life, even as fate and death, without suffering and death, human life cannot be complete.
人生そのものに意味があるのならば、苦しみにも意味があるはず。運命や死と同様、苦しむことも、人生に欠かすことのできない一部である。苦悩と死があってこそ、人生は初めて完全なものになる。

We had to teach the despairing men, that it did not really matter what we expected from life, but rather what life expected from us.

絶望しているひとに伝えなくてはいけないことは、自分が人生から何を期待するか、ではなく、人生が私たちから何を期待しているか、ということである。

We needed to stop asking about the meaning of life, and instead, to think of ourselves as those who were being questioned by life - daily and hourly.

私たちは人生の意味を問うことをやめるべきで、代わりに、自らを見つめ直し、自分が人生から、日々刻々、問われていることに気がつくべきなのだ。

This uniqueness and singleness which distinguishes each individual and gives a meaning to existence has a bearing on creative work as much as it does on human love.

まだたくさんあるのですが、是非読んでみてください。

海外ではブッククラブが盛んで、少し検索するだけで、ブッククラブ用の質問集が見つかります。今回はこの質問集を使って、議論を深め合いました。

日本でもブッククラブが盛んになるといいと思います。心の友ができると思うからです。








ESLクラスの補助教員を始めました。

息子の中学校のESLクラスで補助教員のボランティアを始めました。
生徒の中には1年いても英語が少しも伸びていない生徒がいて、そういう生徒には、ただ勉強をさせるだけではなく、もう少し密着したアプローチが必要だからです。

始めてみると、シリアやイラクからの難民の生徒もいることがわかりました。
難民キャンプにいた間の教育が抜けていることも、英語ができないことも問題です。

でも、そういう生徒のために自分のスキル(英語教育、子供の勉強を手伝ってきたことなど)が使えることは本当に幸せです。