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探求学習の素晴らしさ

とても興味深い記事がフェイスブックでシェアされていて、考えたことを書きます。 

「ある公立高校の奇跡」 国公立大の合格者を18倍に激増させた“探求学習” (4月23日 PHPオンライン


三男が入学した千代田高等学院は、アクティブラーニングが盛んです。先生は教えるのではなくてファシリテーター。例えば、世界史の授業ですと、16世紀と17世紀の世界地図の違いを見せて、その違いをグループで話し合わせて、発表させます。なぜ国名が変わったのか、なぜ国境線が変わったのか、新たな疑問がどんどん湧いていきます。ノート(全員ラップトップを持っている。)はGoogle Classroomでシェアされ、自宅に帰ってからも生徒たちはリサーチやディスカッションを続けます。
三男は勉強が楽しくて仕方がないといっています。保護者会で、保護者たちも同じことを言っていました。主体的に学ばせてくださる学校に感謝しています。
シンガポール駐在中長男や次男が通ったIB校もこういうスタイルでした。寝ている生徒など一人もいませんでした。教えるのではなく、疑問を持たせる。子どもとは本来好奇心の強いもの。気になったことは自分で探求します。先生の役割は教えることではなく、導くことです。
2013年、シンガポールから帰国後に日本の中高一貫校に高1で戻った次男が、私が30年前に使ったのと同じ「山川の世界史」で暗記をしているのを見て目を疑いました。
世界の教育は、とっくの昔に、暗記から問題発見、問題解決に変わってきています。
担任だったのでその世界史の先生に面談で伝えると「うちの学校は進学校なのでセンター試験で点数を取れるようにしなければいけないんです。自分ももっと世界史の楽しさを教えたいのですが」と悲しそうにおっしゃいました。
何が悪いのでしょうか。
国の大学入試が悪いのでしょうか。
進学実績実績を出したい高校や教員が悪いのでしょうか?
教育の内容よりも実績や偏差値で学校を選ぶ親が悪いのでしょうか?
海外の教育を体験し日本の教育に失望しても声を上げず、ただ我慢したりインターなどに転校させたりする駐在員家族が悪いのでしょうか。
自分の周りの生徒と自分を比べるだけで、広い世界に出て世界の同年代と自らを比べてみようとしない危機意識のない生徒が悪いのでしょうか。


その全てだと思います。みんな、何もしないから変わらない。そして世界から取り残されていくのです。
そしてその被害者が若者です。
探求学習、アクティブラーニング、IBなどがもっと広まるように、国、学校、先生、保護者、生徒の全てが意識を変えなければいけません。
生徒たちが好きなことを探求できる環境を整えてください。
今、日本製品が世界で負けつつある理由は、個性や探究心を育てなかった過去20年間の日本の教育のせいです。そしてこれまでの怠慢によりこれから10年間も負け続けるでしょう。今変えても、成果が出るのは10年後。それが教育です。だから今、変わらなくてはいけないのです。