シンガポール英語集中講座のすすめ

世界一安全で教育水準の高いシンガポール。成長著しい東南アジアの中心として飛躍的な発展を続けるシンガポールに、ビジネスや観光だけでなくハイレベルな教育を目指して今世界中から多くの人々が集まっています。
シンガポールでの3年間の駐在中、インター校に通った中高生の子どもの英語力を現地の授業についていけるレベルにするために見つけた教育効果の高い語学学校を、帰国後、日本の中高生にも紹介したいと思い短期留学を企画しました。今年はこれまでとは異なるツアーです。英語の勉強は日本からでもできます。次回のツアーのご案内はこちらをご覧ください。

2020年度大学入試改革  受験英語からの脱却



2020年の入試改革はまだ課題はあるものの、日本人を受験英語から解放するため、世界最低の英語力の汚名を晴らすために、決して止めてはいけないと思っています

2020年からは、センター試験ではなく、検定試験のスコアが評価されるようになります。
これは朗報です。なぜなら、日本人の英語を「壊した」理由のひとつは、受験英語だと思うからです。
次の問題をみてください。現在、進学校で実際に出されている試験の一部です。
英語を使って仕事をしていて、英検1級を持っている私はほとんど解けませんでした。
ネイティブスピーカーと結婚した友人たちも答えられず、ネイティブスピーカーも首をひねった問題が多い中、全部答えられたのは、高校の英語の先生方だけでした。



1番目は There being 2番目は less  3番目は impossible to deny 

それを50分の試験時間にこのような問題を70問も解かねばならないのです。
つまり、一流大学を目指す高校生は、こんな難解な表現を暗記させられているのです。

頭痛や吐き気がするような問題はまだまだ続きます。




It looks like it is going to rain でいいのに、二つのかっこに悩みます。
この答えはas though
likeを硬く言うときに使うそうですが、日本語訳は口語調。

2番目は short
確かにcome short of という表現はありますが、口語ではYour work is below my expectation で十分ですし、そちらの方が通じると思います。
この表現は、就職してビジネスレターに慣れた頃に書ければ十分です。

3番目は until だそうです。
In one more day, I'll be free, でいいのに。

英検1級より難しい高校生の受験英語。わざとひねった表現ばかり。
これを基本表現も身についていない2級-準1レベルの生徒たちが一生懸命覚えるのです。
一生懸命勉強する優秀な生徒ほど英語が話せなくなっていきます。

書店の英語コーナーに「ネイティブはこんな表現を使いません」系の本が多く売られているのもそのせいでしょう。
英語は本来楽しいものです。
こんなことばかりさせられたら嫌いになっても不思議ではありません。

もう一つ言わせてもらうのが、センター試験で必ず出される発音問題



この中から発音が異なるものを選びなさい。

1 argue  garden hardly  scarcely

2   approach, broadcast, coat, throat

帰国子女の次男がいつも落としていた問題が発音問題とアクセント問題です。
ネイティブに見せても苦戦します。
でも、発音のいい人が正解できない発音問題って変だと思いません?

英語表現の時間は、一生使わないような難解な英語表現を覚えるためにあるのではなく、基本的な正しい文法で、自分の考えを表現する時間であるべきです。
「思考力をつける」それが英語の入試改革の本質です。

その点で、英検などの外部検定は優れています。
発音、アクセント、穴埋め書き換え問題はありませんし、英作文は以下のような問題が出題されます。採点に時間が取れるから可能なのでしょう。


与えられたトピックについて作文しなさい。

「動物を動物園で飼育するのは許されるか。」

いかがですか? 

論理的に文章を組み立て、説得力のある文章が書けなければいけません。

使いもしない奇問難問を覚えるより、よほど役に立つ勉強です。これが英語表現の授業のあるべき姿です。

英語の試験は、センター試験や大学の独自の問題をすぐにやめて、英検とTOEFLなどに絞るべきだと思っています。TOEICはビジネスマン向けでこれからアカデミックな英語を大学で学ぼうとする大学入試向けではありません。



しかし、民間の検定試験導入にはまだ課題があります。東大が2020年の入試で独自の方針を打ち出したのも、以下の問題が解決されていないからです。

漢検の受験者数が伸びて受験料が下がったように、英検も値段が下がることが求められますが、成績提供システムのグループに入るためには、筆記試験と同日にスピーキングのテストも行わなければいけないらしく、それでは値段が上がってしまいます。
改革の方向性はあっているのですから、もっと安くできる方法を考えなければなりません。

今、私の生徒たちは、1週間後の英検試験に向けて、英文を読んだり、語彙を覚えたり、英作文をしたり、リスニングを鍛えたりしています。とても正しい勉強です。

一生使わないような受験英語を覚えるのではなく、確固とした英語力をつけていく生徒たちの背中をどんどん押しています。

大学がこのような問題を出さないと表明してくれれば、学校、塾、大学受験生は、この単元に注いできた多くの時間を、語彙や読解、英作文やリスニングなど今後必要になる分野に力を注ぐことができます。



2019年春、シンガポール・インドネシア留学のご案内はこちらです。




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