それでは、わかりやすいように、英語初心者のテキストを使ってご説明します。
私の三男が、小学校2年生後の春休みに2週間、初めてこの学校に通った時のテキストです。
この時は、英語初心者の日本人小学生(小2から小6)ばかりのクラスでした。
シンガポールの日本人小学校では英語の授業が毎日あるので、
この時の生徒の語学力は英検5級レベル(中1レベル)でした。
シンガポール小学1年生用の英作文のテキストを使いました。
中身は下の写真のように作文のテーマが並びます。
1 私のお父さん 2 私のお母さん 3 私の先生 4 私の親友 5 私のペット 6 私の趣味
7 私の好きな食べ物 8 今まであった最も素敵な人 9 今まであった最も醜い人
10 私の家族
3月19日 月曜日
テキスト1ページめ
タイトル 「私のお父さん」
お父さんについて、10文書きましょう。
その前に、お父さんの絵を書きましょう。
そこで三男が描いた絵です。
お腹には腹筋、腕中にコブのような筋肉がついた夫がバーベルをあげています。
両端にはお札とコインの詰まった袋が!
(三男いわく、授業では、先生がYou can write many jokes と言ったそうです。
どうりで、英作文の教室からはいつも笑い声がたくさん聞こえてくるわけです)
三男の初めての作文 (小学2年生です。スペルミス、文法ミスは仕方がないです)
My father name is Takayuki
I love my father beccause he is funny.
これ以上書けなかったのでしょう。 ✓マークは、日本で言う◯です。
きっと授業では先生が
”Oh!Your father has a lot of muscles ! (お父さんの腕、筋肉がいっぱい!)” と、
おどけたジェスチャーで色々と話してくれたと想像できます。
クラスは笑いの渦でしょう。
自分の言いたいことを正しい英語のシャワーを浴びながら学ぶ
これが英作文、英会話の上達の最短コースです。
1コマ90分の授業はまだまだ続きます。
さあ、マインドマップにお父さんのことを10こ書いてみよう。
いろんな答えがありますよ。
背が高い、筋肉質、ハンサム、尊敬されている、きちんとしている、日焼けしている、働き者、優しい、ビジネスマン、ゴルファー
と書かれています。
生徒は語彙を学びます。スペルも学ぶでしょう。
3ページ目では、それらの単語を文の中で学びます。
80分の授業はこれだけでは終わりません。
シンガポール式の授業の進みは速いです。
4ページめ タイトル 「私のお母さん」
お母さんについて、10文書きましょう。
その前に、お母さんの絵を書きましょう。
はい、これは私の絵ですね。 幸せそうに踊っていますね(爆)。
My mother's name is Maliko.
I love my mother.
beccause she is cute.
ここで、because のスペルと、becauseの前にはピリオドを打たないことを指導されています。
その日、三男はbeautiful, pretty, cute, funny, fantastic, dancing, translator, likes music, good at cooking, smart
というたくさんの語彙を覚えて帰ってきました。
初日は、お母さんについての短文を読んで授業は終了。
と書いてしまえば、それまでですが、
80分間、先生は他の生徒の作文も全員に聞こえるようにコメントし続けます。
子どもたちはどんどん吸収していきます。
2013年3月20日(火) 2日目
電子辞書が必要だというので、この日から兄のを持たせました。
昼食後は疲れが出ますが、英作文は楽しいからです。
タイトル 「私の先生」
先生について、10文書きましょう。
その前に、先生の絵を書きましょう。
「僕の先生の名前は、ミスターユヤマです。僕は先生が大好きです。かっこいいからです。」
手に持っているのは先生の好物、スイートポテトだそうです。 ページをめくると
さあ、マインドマップに君の先生のことを10こ書いてみよう。
いろんな答えがありますよ。
エレガント、花がらのドレス、若い、スリム、優しい、厳しい、世話好き、責任感が強い、
英語の先生、授業が面白い
先生について息子が書いた語彙、
かっこいい、若い、ドッジボールが上手、日本帰った、優しい、賢い、足が速い、
この日初めて三男は、電子辞書を使いました。
電子辞書で調べながらどんどん書いていったそうです。
この日は、この章だけでした。
辞書に慣れるのに時間がかかったのでしょう。
2012年3月21日(水) 3日目
タイトル 「私の好きな食べ物」
好きな食べ物について、10文書きましょう。
その前に、好きな食べ物の絵を書きましょう。
My favourite food is steak. I ollways eat with my frends.
I usually eat it on Holiday.
My favourite food is the one ( ) Saizeria
I usually eat it on Holiday.
My favourite food is the one ( ) Saizeria
僕の好きな食べ物はステーキです。
いつも友だちと食べます。
休日に食べます。
僕の好きなステーキはサイゼリアにあります。
いつも友だちと食べます。
休日に食べます。
僕の好きなステーキはサイゼリアにあります。
( )は空欄で、先生がfound atを入れてくれています。
息子いわく、この部分にに何かが入りそうだけどわからなかったからあけておいた、そうです。
お気づきでしょうが、3日目にして文章がどんどん複雑になっています。
次のページ
さあ、マインドマップに好きな食べ物のことを10こ書いてみよう。
いろんな答えがあります。
チキンカレー、ココナツミルク、いろんなスパイス、コクのあるグレービーソース、
柔らかいチキン、辛い、お母さんの手料理、週に一度、パンといっしょに、最高
いろんな答えがあります。
チキンカレー、ココナツミルク、いろんなスパイス、コクのあるグレービーソース、
柔らかいチキン、辛い、お母さんの手料理、週に一度、パンといっしょに、最高
三男のマインドマップ
好きな食べ物、チキン、ポーク、アイスクリーム、スイーツ、パン、 寿司
ピザ、マンゴ、カルボナーラ、フランス料理、フォアグラ (精一杯のジョークだったそうです)
3日目の2つ目のテーマ
タイトル 「今までに会った一番素敵な人」
あなたが今間に合った一番素敵な人について、10文書きましょう。
その前に、その人の絵を書きましょう。
息子の作文
Hideki Matsui is the nicest person I have ever met.
He is baseball player.
I like him because he gets many homeruns.
(僕が今まであった中で一番素敵な人は松井秀喜です。 彼は野球選手です。
たくさんホームランを打つので好きです)
この日は、時間がなくなり、語彙の練習はなかったそうです。
この日の語彙は、helpful(協力的), generous(寛大な), kind(親切), hardworking(勤勉), respectful(尊敬できる), courteous(礼儀正しい), patient(我慢強い), caring(面倒見が良い), understanding(理解してくれる), well brought up(育ちがいい)
といった単語ですが、小学2年生には難しいと先生が判断したのだと思います。,
2012年3月22日(木) 4日目
タイトル 「家族」
この絵について、最低5文書きましょう。
さて、昨日までは自分のことを書きましたが、4日目からは「描写の英作文」です。
絵を見て、それについて語るのです。
右ページの模範解答も複雑になります。
模範解答
「この家族は4人います。小さな女の子がお父さんの膝に乗っています。お兄さんとお母さんは床に座っています。みんな一緒にテレビ番組を楽しんでいます。お母さんが後ろを振り向き、無邪気な女の子に大きな笑顔を見せています。」
There are 4 members in this family. They are sitting together in the living room.
They are watching a television programme.
They are laughing,, so they are probably watching a funny show.
Mother is tickling the baby sister.
(4人家族です。リビングルームに一緒に座っています。
テレビ番組を見ています。
みんな笑っています。 だからきっと面白い番組を見ているのでしょう。
お母さんは女の子をこそぐっています。)
これを見て、私は驚きました。 親ばかですみません。
でも、たった4日間で、日本人学校に通う小学2年生がここまで書けるようになるのです。
(息子が描写して伝えたブロークンな英語を、先生が正しく言い直して、息子が書いたのでしょう。)
この語学学校は、9時から16時まで。
1日6時間、英語のシャワーを浴びながら、子どもたちが自然と英文法を吸収しているのです。
シンガポール式英語ののいいところは、とにかく書かせます。
聞くだけ話すだけではなく、書くことによって、
きちんとした英語の文法を定着させ、英作文力をつけることができるのです。
私が日本の学生をシンガポールに連れて行きたいと思う理由がわかっていただけましたか。