こうなることはシンガポールにいたときは見えていました。日本にいると見えなくなります。
成長する国、沈む国。その違いは短期的に見ると政治、長い目で見ると教育です。
現在、就職戦線では日本の学生は優秀な海外の学生に敗戦し続け、日本企業もグローバル競争で苦戦を強いられています。
大学まで出たのに、英語も話せない、経済学を専攻したのに、統計も会計学もわからない。
最近就職した帰国子女のお子さん(高校までずっと英語の学校で慶応大学法学部卒)が言っていました。
「就職面接で最終選考に残る人は、日本語ができる留学生か、海外の有名大学で学んだ日本人ばかりでした」
テレビ局に勤める友人が嘆いていました。「最近、入社してくる学生のレベルが低い。京大を出ていても英語すらできない」
外資系上場企業の日本支社長が5年前にシンガポールに行く前の私と息子にいいました。「日本で一番苦労していることは採用したい人がいないことだ。日本の学校に行ってはいけない。インターに行きなさい」
シンガポールでであったパキスタンの女の子は、高校生で経済学と会計学を学んでいました。そして言いました。「だって一番大切なのって教育でしょ?」
世界の高校生や大学生は、今の時代にあったカリキュラムを必死に勉強していますよ。私が経営者だったら、残念ですが日本の大学生は採用しません。親として、こんな状況は情けない。10歳までは親が育てます。10代は学校がちゃんと育ててくださいって声を大にしていいたい。
いつまで30年前と同じ山川の世界史の教科書を使って暗記をさせているのですか! そんな勉強をしてきた学生を企業はほしいですか?
答えのない問題を与えたり、学生が自分で問題を見つけたりして、深く調べ、考察し、友人と協力しながら、よりよい答えを導き出す。
身の回りの問題を自ら解決し、世界の問題にも当事者意識を持てる。そんなことができる人間が、これからの世界には必要なんじゃないですか?
少子化と大学増設で大学入試が楽になり、スマホで遊んでばかりいる学生や大人も悪い。
でも、面白い教育を与え、課題をたくさん与え、評価を厳しくすれば、子どもたちはスマホで遊んでいる暇はなくなります。
IBディプロマの最後の数ヶ月、息子やその友人はパソコンから(調べ物には不可欠)Facebook BlockerなどのSNSなどとつながらないソフトを自分たちでインストールしていました。
日本はあらゆる意味で恵まれた素晴らしい国です。
すべての国民が日本語という豊かな言葉を使えます。母国語で大学レベルのことが学べます。戦争や内戦が起こっているわけでもなく、若者は安心して学べる環境です。危機感が足りないことが問題です。
政治家は選挙のたびにいいます
「教育が大切です」「教育改革をします」
なのに30年前と同じことをしているのはなぜですか?
小学校の教育はは変わってきていると思います。
問題は、国力にかかってくる、高校大学教育です。
日本の競争力や将来は、政治家と学生と大人の意識改革にかかっています。
日本の競争力を高めましょう。
若者をもっと教育しましょう。