記事では、マインドチャンプスという幼稚園に焦点を当てていて、教材のことは触れられていませんでしたが、日本に是非取り入れていただきたいのがシンガポール式英語教材です。
これまでもシンガポール式英語については書いてきました。
日本の教育現場にシンガポール式英語教育法を(2014年10月)
シンガポール式英語を勧める理由は以下のとおりです。
1)基礎力が身につく
日本の小中高生に英語を教える理由はなんでしょう。
日常会話が話せるレベルでよければ、オンライン英会話でマンツーマンで学べばいいと思います。そもそも1クラスの人数が多い日本の教育現場には向きません。
しかし、将来、海外の記事や文献を読んで学んだり、自分の考えを発信したり、仕事に使える英語を身につけたいと思ったら、きちんとした文法、語彙、読解力、つまりアカデミックな学校英語をまず身につける必要があります。大学の入学試験などで測られるのもそうした英語力です。会話力ではありません。
2)日本の教育現場にあっている
日本の英語教育の弱点は、1クラスの人数の多さと、英語教師の英語力の弱さと発話の少なさです(先生方、こんなこと言ってすみません。)シンガポールの教材は、1クラスの人数が多く、指導者がネイティブスピーカーではない家庭でも使いやすいように設計されています。
教材は各単元が、導入→三択→書き換え→文章 進み、難易度が上がっていきます。
シンガポール式英語に対して英米式でよく使われる教材はシンガポールでは、General Englishと呼ばれています。 一方で自分たちの英語をAcademic English (学術的英語・学校英語)と言っています。General Englishは、一章に全ての要素(文法、読解、英作文など)が網羅されていることが多く、聞いて話すことに重点が置かれています。学習者が大人だったり(一通り文法を習っている)、指導者がネイティブだったりする(自由度が高い)場合はいいのですが、日本の小中高の現場には不向きです。
私も、英語を教えるときは必ずシンガポールの教材を使います。
3)小中学生向けに設計されている
シンガポールの教材は、解説が少なく、例文と演習が多いです。例文もその学年に応じた内容になっています。
日本人の生徒の英語にたりないのは、演習量です。
日本語の解説を少なめにして、短く正しい例文をシャワーのようにたくさん浴びて学んでいく方が、小中高生には向いていると思います。例外ばかりを日本語で教えるとかえって混乱してしまいます。
授業でどのように使われているかはこちらの記事をご参照ください。
シンガポール式英語教授法とは(2013年9月)
シンガポール語学学校の授業の実際(2013年11月)
アメリカのTESOL講習で、ESL教授歴20年の博士号の先生にシンガポールの教材を見せたら大絶賛。アメリカにも輸入したいと言っていました。
シンガポールの書店に行くと、安くて、教えやすくて、年齢、レベルに合わせた教材がたくさん用意されています。
書きながら学習する形ですが、読み上げ機能を付加すれば最強の教材になります。
なんとか日本に輸出してもらえないかと、先月、シンガポールの出版社に直接連絡を取ってみました。
そこで、コンテンツの著作権を販売してもらい、国内で出版できないか考えています。
翻訳する必要はありません。そのまま使えます。(あ、でもシンガポールの野菜の名前
などがたまに出てくるので、編集する必要があるかもしれません)
この記事を読んでいらっしゃる方で、シンガポール式英語の日本導入に関心のある教育関係、出版関係の方がいらっしゃいましたら是非こちらにご連絡ください。
私はシンガポールの英語教材を30冊ほどPDFで持っています。
また、良い教材を出版している出版会社のリストも持っています。
必要であれば、喜んで通訳翻訳などの橋渡しをします。
(新美真理子)