大学入試の英語民間試験が混乱しています。
問題は当初より指摘されており、是正しなければ混乱することは当初から明らかでした。
でも後戻りしてはいけません。
この問題は、受験生のみならず、日本全体の問題です。
日本人の英語力、国際化の問題だからです。
なぜ、センター試験ではなくて、民間の検定試験がいいのか?
1)受験英語の弊害
日本人の英語ができない理由の一つが
使わない表現を暗記させられる受験英語です。
ネイティブも通訳も解けない、塾や学校の先生にはわかる、採点しやすい問題が出題されます。
そのため、高得点を狙う生徒は、重箱の隅をつつくような難問対策の勉強を課されます。
勉強すればするほど、自然に話せなくなります。
詳しくは、昨年10月に書いたブログ「2020年度入試改革 受験英語からの脱却」をお読みください。
2)ライティング問題の必要性
センター試験(共通試験)のもう一つの問題は、記述問題がないことです。
当日採点できるマークシート方式では、まとまった量の文章を採点するのは物理的に無理です。しかし、自分の考えを論理的に組み立て、表現するライティングやスピーキングの能力は非常に大切です。
3)高3だけのの一発勝負
本来、英語は大学入試のためにあるものではなく、積み上げていくものです。
つまり、センター試験と異なり、民間検定試験にはメリットがたくさんあります。
- 質の高い問題で、受験テクや奇問対策ではなく、使える英語力を習得できる。
- 採点に時間を取れるため、ライティングやスピーキングで思考力や論理性を測ることができる。
- 何度でも挑戦可(小学生から準備ができる)
などです。
ですから、民間試験採用の流れは止めるべきではありません。
なぜ、こんな混乱が起きたのか?
私はあると思っています。
それは、
1)検定試験を英検の一つに絞る。国が実施する。(11月2日 追記)
(11月3日 GTECの問題を解いてみて、英検で高得点を取れる生徒はGTECでも取れると思いました。問題を民間に作らせて、国が利益なしで安く実施してくれればいいとは思います)
2)スピーキングを必須にしない。(英語力向上には必要ですが、大学受験生全体に受けさせるのは物理的に無理) (11月3日 CBTで英検でもGTECでもできますね!)
3)英検は受験料を半額にする。(漢検も半額になりました)
です。
1)の、検定試験を一つに絞る について
理由は前述したように、生徒や学校のの経済的精神的負担を減らし、大学側が受験生の英語力を評価しやすくするためです。
大学入試に利用できる試験は以下の6検定 (料金はCEFR B1レベルで比較)
残るは、2の英検と3のGTECです。英検の方がいいと考えます。理由は後で書きます。
(GTECのテストも見ましたが、素晴らしいテストでした。英検でもGTECでもいいです。
2)の、大学入試にスピーキングを必須にしない について
スピーキング能力は大切です。
でも、それは、大学入試で一斉に測らなければならないものでしょうか?
大学側が、受験生に求める能力は、ペラペラ話せるか、ではなく、
まとまった文章が読めて、書けるか? 英語の講義が理解できるか、だと思います。
スピーキングは、通常の英検試験で合格した人だけが二次試験で受けるので十分です。
受験生が少なければ、じっくり話させることもできます。
論理的な文章を自分の言葉で書ければ話せます。
また、スピーキングの試験官や試験会場を受験生全員分、準備することは不可能です。
そのことについてはこの記事に詳しく書かれています。
(IT技術の発展で、スピーキングも機械でテストで採点きるようになっていますね)
3)の、受験料を半額にする、について
漢検だって受験生が増えた結果、収益が増えすぎて、半額になりました。
英検も、受験生が増えて、スピーキングが必須でなくなれば、半額にできるのではないでしょうか。儲かるからいろんな業者が名乗りを上げるのです。
子育て家庭をこれ以上苦しめないでください。
この中で、私が英検をすすめる理由は次の通りです。
GTECはすごい勢いで学校教育に浸透しています。
学校全体で一斉に受けることも多いようですが、費用を最終的に払うのは保護者です。
4、5、6のメリットはありません。
昔の英検は、級の合否しかありませんでしたが、今は、得点が細かく算出されます。
このような結果がきます。
この生徒の場合、今回は準2級に合格しましたが、語彙力、読解力、リスニングを高めないと2級にはまだ遠いことがわかります。
中学の基本勉強が理解できていれば、市販の問題集と単語集とオンライン英会話で自然に英語力をつけていけば、2級にも準1級にも合格できます。
かなりの時間と努力が必要です。
でも、若いうちは、外国語習得に時間をかけるべきなのです。
そして、かけた時間は将来に役立つものでなければなりません。
6年以上勉強したら、読めて、書けて、聞き取れて、話せなければいけないのです。
それは、
1)
2)
3)
です。
1)の、検定試験を一つに絞る について
理由は前述したように、生徒や学校のの経済的精神的負担を減らし、大学側が受験生の英語力を評価しやすくするためです。
大学入試に利用できる試験は以下の6検定 (料金はCEFR B1レベルで比較)
- ケンブリッジ検定(PET 11800〜)
- 英検(英検協会)(2級 5800円 準会場5400円 スピーキングは合格者のみ)
- GTEC (ベネッセ)5040円
- IELTS 25380円
- TEAP (英検協会)(6000円 RL 15000円RLWS)
- TOEFL (TOEFL)235ドル
(GTECのテストも見ましたが、素晴らしいテストでした。英検でもGTECでもいいです。
なぜ GTECではなく、英検か? (11月2日 追記: 国が行い、良問で、記述問題があればよし)
問題の質(妥当性、信頼性、実用性)が高い。(次の投稿で詳しく書きます)市販の問題集が多く、2級以上は塾不要。自学自習できる。受験テクニックは不要。英語に必要な4技能(読む、聞く、書く、話す)を高めることで得点がのびる。大学で学ぶのに必要なアカデミックな英語能力を試している。歴史もあり、就職などにも利用できる。過去問が無料公開されていて対策が立てやすい。子供からお年寄りまで受けることができる。生涯学習に適している。
準2級(Grade Pre2)に、ややギリギリ(+2)で合格ということがわかります。 |
リーディング(語彙力・読解力)とリスニングが弱く、ライティングが強いことがわかります。 あと、正誤得点表もきますが、ちょっと慣れれば、それを見ただけで、生徒の弱点がわかります。 |
かなりの時間と努力が必要です。
でも、若いうちは、外国語習得に時間をかけるべきなのです。
そして、かけた時間は将来に役立つものでなければなりません。
6年以上勉強したら、読めて、書けて、聞き取れて、話せなければいけないのです。