実習生が妊娠を機に解雇されることが「人権侵害だ」とニュースになっています。
しかし、シンガポールでは、メイドなどの単純労働ビザの女性は定期的に妊娠検査を受けさせられ、妊娠したら即国外追放です。(リンク)
移民には申し訳ないが、私はこの政策に賛成です。
なぜなら、日本で生まれた移民の子どもたちの将来が心配だからです。日本の教育についていかれず学校に通えない不就学児の問題はもう実際に起きています。そんな子供達は将来どんな仕事に就くのでしょうか。仕事に就けなかったらどうなるのでしょうか。日本にこれまでなかった下層階級を作ることは実に危険なことです。教育を施す受け皿がないのに子どもを産ませることの方がよほど「人権侵害」だと思います。
フランスもアメリカも労働者不足という問題を安易に移民(奴隷)に頼り、そのツケを今も払い続けています。私は10年ほど前にフランスの移民の教育政策に関する本を訳しました。その時に、どれほどのお金とエネルギーをかけて、フランスが移民をその社会に溶け込ませようかとフランス語教育で努力しているかがわかりました。決して簡単なことではありません。
現状では移民の受け入れは仕方がないとしても、将来に問題を残さないためにシンガポール並みのルールが必要だと思います
女性が子どもを産める環境を国と社会を挙げてもっと整えていかねばなりません。
私が住んできた国々の羨ましい少子化対策の例をいくつか示します。
フランス
*産休復帰後、仕事量を80%(週4日勤務)、60%(週3日勤務)での勤務を本人の希望で出せます。会社は拒否出来ません。かなり大多数の人が利用しています。
*3人以上子供を産むと大家族パスというものがもらえ、鉄道や美術館が半額になります。(この政策があったら私は4人目を産んでいたと思います。子沢山で辛いのは教育費やレジャー費をはじめとする経済的負担です。名古屋に家族で帰省するのに新幹線代の往復12万は痛すぎます。そもそも2人育てている母にとって3人目4人目出産のハードルは低いので、3人め以降の家族にもインセンティブを。)
シンガポール
*結婚しないと住宅(HDB)を申請購入することができません。
*30代になると着床率が下がることを学校で教育します。(日本の性教育は避妊がメインだと息子が言っていました)
*働くママは、メイドを安く雇うことができる。(介護家庭も)
などなど
移民政策や少子化政策は、世界に多くの前例があります。ちょっとした政策が子育て家庭には大きな恩恵になるのです。
シンガポールの移民の待遇はかなり厳しいです。最低賃金や労働時間の限度がないので、日本とは比較にならない低賃金、長時間労働をしています。それなのに、どうして移民にこんなに人気があるのだろうと不思議ですが。それは受け入れる制度が文化の受け皿がきちんとしているからではないでしょうか。日本はシンガポールの移民政策からもっと多くを学ぶべきだと思います。
シンガポールの移民政策について書かれた論文(日本語)
移民を受け入れた時の状況が今の日本の状況と似ているので参考になると思います。