駐在で現地校に入れればバイリンガルになる
日本でインター校に入れればバイリンガルになる
バイリンガル教育は早いうちに始めよう
バイリンガルになれば、帰国入試で一流校に入れて、一流企業に入れる。
成功例の陰にはたくさんの失敗例があります。
幼児の早期教育同様、業者の宣伝に騙されないでください。
深く考えることなく、小学生のお子さんを国内のインターに入れたり、単独長期留学をさせるご家族や、「行けばなんとかなる」と事前の準備もなしに、海外に行かせてしまう(連れて行ってしまう)ご家族を見ると、心から心配になります。
残念な結果もたくさん見てきました。
あまりに基本的なことをご存知ない方が多くて驚くこともあります。
今日も、相談をお受けしました。
私がお話しすると、「そんなこと知らなかった。美談しか耳にしない」とおっしゃっていました。
ですから今日も書かせてください。
セミリンガル、または、ダブル・リミテッド、という言葉をご存知でしょうか?
母国語(日本語)と外国語 のどちらも、年齢相応のレベルに達していない状態です。
私たちは言葉で考えます。
国語のみならず、数学も、理科も、社会も、言葉を介して学びます。
読書から多くを学びます。
母国語でも英語でもいいのですが、どちらかは年齢相応の教育レベルが必要です。
第一言語の確立なしにバイリンガルはありえません。
確立、とは、日常会話がわかる、というレベルではありません。
本が読めて、深く思考できるレベルです。
特に、幼児のぺらぺらには注意です。
耳から聞いたことを丸暗記しているだけですので、帰国して放っておくとすっかり忘れてしまいます。
ただ、今は、質の高い保持教室(帰国子女アカデミーやJ Prepなど)などがあり、見事に維持されている方もたくさんいらっしゃいます。そういうご家庭は、日本語も英語もきちんと教育されています。
海外に行けばなんとかなる、も危険です。
小学生にとって、英語だけの環境に入れられることは、私たちが全く字が読めないアラビア語とかベトナム語の環境に放り込まれるのと同じです。
子どもは言葉を介さなくても遊べるので、楽しんで学校から帰ってきます。
でも授業で言葉が聞き取れるようになって、授業が理解できるようになるまで、多くの時間を失います。
アメリカにいた時、英語を教えた小学生は、半年間、現地の学校に通っていても、英検4級レベルもわかっていませんでした。当然、他の教科の勉強も遅れます。
日本人で固まったり、勉強ができないグループに入ったり、勉強が嫌いになってしまうことがあります。
中高生の留学や転勤では、言葉ができないために現地で友達ができなかったり、授業が遅れるという問題もあります。
保護者の方が英語がわからないと、お子さんの外国語レベルがわからないこともあります。幼稚な英語やフランス語しか話していないのに満足している日本人家庭も見てきています。
これらの問題は、出発までに基本文法を教えておくことで回避できます。
帯同するな、とは言っていません。
年齢、環境、お子様のタイプによって、対策は異なりますが、基本すぎる基本は以下のとおり。
基本は
1)セミリンガル(ダブルリミテッド 両言語とも中途半端)にしないように注意する。
2)出国前に英語(特に文法やリスニング)を学んでから行く。
3)9歳前後の長期滞在は、文化アイデンティティの確立にも注意
4)小学低学年で帰国した場合は、保持が困難と理解し、母国語教育や読み聞かせに注力
詳しくは、本ブログの「年齢段階に応じた英語の学び方」に書きました。
私と同じ考えでもっと詳しくわかりやすくでている記事が、
「日本育ちの子をインターに入れるのは愚の骨頂だ」(2018年1月FRaU)
です。
ただ、私は、十分なお金があって、家庭できちんと英語や日本語のフォローができるのであれば、幼稚園でインターに入れるという選択肢も捨てていません。
インターや留学や駐在など、英語に浸すことはうまく行けば、成果が上がります。「日本育ちの子をインターに入れるのは愚の骨頂だ」(2018年1月FRaU)
です。
ただ、私は、十分なお金があって、家庭できちんと英語や日本語のフォローができるのであれば、幼稚園でインターに入れるという選択肢も捨てていません。
2週間の留学で1年分、1年間の留学で10年分の成果が出るでしょう。
私が見てきたお子さんをバイリンガルに育てているご家庭に共通している点は、
1)日常会話ができればいい、とは決して思っておらず、母語の大切さを理解し、家庭内の語彙も豊かで、読書や現地の学校の勉強を重視している。
の、一言に尽きます。
「中高生のためのシンガポール・インドネシア留学」は語学留学です。
単なる日常会話ではなく、深く広く考えるツールとしての語学力を身に付けることを目指しています
様々な経験を通して成長してくれることを望んでいろいろ企画していますが、メインは語学教育です。
2013年に最初に連れて行った高校生は、授業が理解できるようになるのに、1週間かかりました。ホストファミリーや現地の友達と基本的なことも話せずとても苦しい思いをしました。
それ以来、生徒全員、出発前のオンライン英会話を義務付けています。
不思議と勉強嫌いの生徒さんたちも毎日受講してくれます。
中高生っていう時期は友達を作りたい時期だからでしょう。
2週間現地に行けば、すぐにペラペラになるなんて、私は決して申しません。
ペラペラになれば将来が開けるとも思っていません。
日本人がバイリンガルになるのは簡単ではありません。
でも、英語ができることでいろんな可能性が開ける現実も伝えます。
最大限の成果を出すためにどうしたらいいのか、いつも考えています。
5月12日(日)17時から 秋葉原のCampus Plus Akihabaraにて
中高生で留学した生徒たちが「美談ではない留学説明会」を開きます。
一般的に留学業者が語らないような「失敗談」そして「そうならないための準備」についてパネルディスカッションをします。
お子さんにはぜひ見てもらいたいイベントです。
中高生だけで企画して、スポンサーも見つけて、無料のイベントにしたあたり、海外でみにつけた逞しさが見え隠れします。
うちの三男も企画段階から関わっています。
私も片隅にいます。
留学を迷っている中高生は行ってみてください。