シンガポール英語集中講座のすすめ

世界一安全で教育水準の高いシンガポール。成長著しい東南アジアの中心として飛躍的な発展を続けるシンガポールに、ビジネスや観光だけでなくハイレベルな教育を目指して今世界中から多くの人々が集まっています。
シンガポールでの3年間の駐在中、インター校に通った中高生の子どもの英語力を現地の授業についていけるレベルにするために見つけた教育効果の高い語学学校を、帰国後、日本の中高生にも紹介したいと思い短期留学を企画しました。今年はこれまでとは異なるツアーです。英語の勉強は日本からでもできます。次回のツアーのご案内はこちらをご覧ください。

異文化を学ぶ意義

アジアに中高生を連れて行きたい。
これは私が3年間のシンガポール駐在後に強く思ったことです。
なぜなら、私たち家族は、シンガポールで、それまで行った西洋諸国では学べなかったことを多く学んだからです。
たった3年間で、当時息子たちは驚くほど成長しました。
英語、歴史、異文化、教育、などで、様々な体験をして、自分の殻を破ったからです。
今日は、異文化の話を書きます。

異文化を理解することで成長する

私は普段はテレビ局で働いているので、イスラム過激派の報道をたくさん訳して字幕をつけていました。
私の中でイスラム教徒に対する偏見が自然と作られていきました。

戦争を起こす人
テロや自爆をする人
信者に断食を1ヶ月もさせる宗教

一部の人だとはわかっていても、「普通の」イスラム教の友達がいなかったために、漠然と、なんとなく、怖いなーって思っていました。
今思えば、本当に失礼で愚かなことです。

でも、シンガポールにいる間に、そうした考えはすっかり変わりました。
過激派ではない一般のイスラム教徒の友達をたくさん作ることができたからです。
私は、宗教や文化の話をするのが好きです。ラマダーン(断食)のことも聞きました。

ラマダーンをする理由の一つが
貧しくて十分な食べ物のない人の苦しさを1年に1回は思い出すため、
と聞いて
なんて優しい宗教なんだ、、、
と、心を動かされました。

イスラム教徒がラマダーンに臨む気持ち

今日は、イスラム教徒と結婚して、イスラム教に改宗した日本人女性のやすこさんの投稿をシェアします。
同じ日本人で、結婚までは仏教や神道を信じていた女性が、最初は違和感を覚えながらも、だんだんイスラム教も理解して実践していく話を読むと、いつもこの宗教への理解が深まります。
ちなみに私は仏教徒であり、神道の氏子です。でもイスラム教もヒンズー教もキリスト教も大好きです。

(引用)

今年もラマダーン月を迎えられて、とってもハッピーです。
夜明け前の朝5時にみんながノソッ起きて来て、サンドイッチとお水を頂きます。
時々私が寝坊して、やべっ!すっごい焦ってみんなを起こし、娘たちに怒られます。
シンガポールでは日の出前の5:24分までこうやって神さまからの食事を頂くことができます。
そしていよいよ朝一番の礼拝5:35分頃から
日の入り19:10分頃まで飲食を止め、
がまんしながら、日頃の"当たり前"の暮らしには無かった"実はすごく有難い"暮らしを体感しています。
ちょっとやりすぎじゃん。
大丈夫?
体に悪そう。
かわいそう。
ムスリムになる前はそんなふうに見てたけど、
年を重ね12年目のラマダーンはすごく有り難みを感じる。
にっこりやさしくしんせつに善いことをする。
暴言、悪口、不満はつつしみ怒らない。
こんな目標を家族で約束しながらの30日間。
人はお腹や喉が乾くとつかれるし、イライラしてくるんだ、そう子どもたちが映してくれます。我慢したあとの食卓はこんないい顔に出会えるんだ。みんなで待ったあとのご褒美がこんなにいいものだとは。。
神さまとの約束を、小さいながらも守ろうなとする心に触れてすごいな〜と胸が熱く優しい気持ちに満たされます。
何を食べよう?というよりは
あるものをどうやって頂こう?
こんなふうに心が変わる時です。
日が暮れても、いくら待っても食べるものがないんだ、お腹が空いて弱っているわが子に食べさせてあげることさえできない親の気持ち、
なんて切ないだろう。。
そういう気持ちになってきて、ラマダーン中は自ずと食べるものも暮らし方もシンプルになっていく。いただき物のおかず、昨日の残りのおかずがテーブルに上がり、用意するのは子どものリクエストで納豆とお味噌汁に卵焼き。
食べ終わったお皿を洗うときも、自然と水を大切に使いたくなってチョロチョロゆっくりと洗ったり。
あ~いいもんだラマダーン。
だから神さまは"断食はあなたにとって善いであろう、、"と言っているんだ。
そんなふうに感じています。

(引用終わり)

異文化を理解する目的は何でしょう。
無意識に失礼なことをすることを避けること、
他人を理解することで、自分の考えを広げ、深めて成長すること、
多角的な視野を持ち、自分をよりよく理解すること、
偏見を持たずに、色々な人と協力できるようになり、平和な世界作りに貢献すること、
などなど、いいことがたくさんです。

シンガポールは、多民族共存が国是ですから、異文化教育に熱心です。
そして、多民族のことを悪く言うことはタブーです。

中高生のためのシンガポール・インドネシア留学では、モスクを訪ねるだけではありません。イスラム教に関して言えば、日本人の人から話を聞いたり、ホームスティをしたり、一緒に離島に行ったりします。

そうする中で、イスラムの人との付き合い方を学びます。

学んでいいことがあるのか、と言えば、あります。
私は、イスラム教の理解があったおかげで、お忍び旅行中のカタールの王族の人と東京で友達となりました。そのごスカイプでちょっと日本語と教えただけで高級時計が送られてきたり、息子が中東を旅行した時に訪ねたりしました。今でも彼とはいいお友達です。(私とチャットしながらフェラーリを買っていました(笑))

学ばないと困ることがあるのか、と言えば、あります。

これまでのツアーでも、日本人の中高生が異文化を知らなかったために、意図せずに失礼なことをしてしまったことがあります。
それはある生徒が、卑猥な画像をインドネシアの生徒に見せてしまったのです。
日本の生徒なら笑い話で済むかもしれませんが、これは、イスラム教徒でなくても、インドネシアではNGです。
すぐに苦情が私の耳に入り、私は、その生徒には個人的に、参加者生徒には、名前を伏せて指導しました。

英語ができるだけでは、世界に本当の友達はできないと思います。

「日本人の若者は浅い」って言われることがあります。
異なる文化、宗教、歴史を学んで悩んで深く考えられる人に成長してもらいたいと思います。

中高生のためのシンガポール・インドネシア留学 
現在のお申し込みは11名 (最低催行人数まであと4名) 男女半々で、中2から高2まで、英語の実力も、次に4級を目指す人から1級を目指す人までまちまちです。

6月になると燃油費が上がります。
お申し込みはお早めに 
詳しいご案内はこちらです。










千代田高等学院 IBコースについて

IB教育について

三男は、千代田高等学院という新設IB校で、長男や次男が海外で受けたIB教育という教育を受けています。IB教育はとにかく「考える力」を鍛える教育で、脳みそのコアの部分に効く感じです。

生徒全員がラップトップ(iPadはだめ。三男はMac pro)を持ち、Google Classroomを使って課題を提出します。プログラミング授業もあり、この1ヶ月で、子供達のITスキルは劇的に上がっています。
校長の荒木先生は、生徒たちにとっていいことはどんどん取り入れてくださいます。

IBの先生はあまり教えません。でも、とてもいい質問をします。

先日出た課題は「『機能と環境』について考察せよ」。

答えの決まったプリント問題にはなんの興味も示さない三男ですが、こういう課題は大好きです。

「機能と環境」についての切り口をどうしようかと1日悩み、最先端企業のオフィス環境について調べようと決めると、あらゆる本や資料を青虫のように読み漁ります。4000円もする本なので買わないでというと、図書館で見つけて借りて来ました。

嬉々として分厚い先端企業のオフィスの本を読んで考察いる息子を横で見ていて、本当にこの子にはIB教育があっていた、いい学校に出会えてよかったと思います。この課題だけで、建築、色彩、医学、デザイン、色々な分野に関心が広がっているのがわかります。勉強が楽しくて仕方がないそうです。
日本語IBなので、母国語で調べて考えられるのもいいです。
大人のIB教育はないのかと羨ましく思ってしまうほどです。

中高生のお子さんが勉強に関心がないとしたら、それはやっても意味がないって思っているからではないでしょうか。

千代田高等学院はまだ進学実績がないので、3年後に三男がどの大学にはいるのか全く未知ですが、全く不安はありません。
どの大学に行くかが大事なのではなく、高校3年間の間に、考える力や人と協力する力を身に付けること、自分が学びたいことを見つけることのほうが大切だと私たちは考えているからです。

長男の時もIBは帰国入試には不利だと言われていましたが迷わずIB校選びました。結果は大成功でした。進学先もよかったのですが、何より本を深く読めるようになったのは彼の一生の財産です。

まだ知られていないために、去年は定員割れしてしまいましたが、学費が安いのに、朝7時半から週6日、授業をしてくださるお得感満載の学校です。

学校の情報はツイッターやフェイスブックでも公開されています。





シンガポールの移民政策からもっと多くを学ぶべき

実習生が妊娠を機に解雇されることが「人権侵害だ」とニュースになっています。
しかし、シンガポールでは、メイドなどの単純労働ビザの女性は定期的に妊娠検査を受けさせられ、妊娠したら即国外追放です。(リンク
移民には申し訳ないが、私はこの政策に賛成です
なぜなら、日本で生まれた移民の子どもたちの将来が心配だからです。日本の教育についていかれず学校に通えない不就学児の問題はもう実際に起きています。そんな子供達は将来どんな仕事に就くのでしょうか。仕事に就けなかったらどうなるのでしょうか。日本にこれまでなかった下層階級を作ることは実に危険なことです。教育を施す受け皿がないのに子どもを産ませることの方がよほど「人権侵害」だと思います。
フランスもアメリカも労働者不足という問題を安易に移民(奴隷)に頼り、そのツケを今も払い続けています。私は10年ほど前にフランスの移民の教育政策に関する本を訳しました。その時に、どれほどのお金とエネルギーをかけて、フランスが移民をその社会に溶け込ませようかとフランス語教育で努力しているかがわかりました。決して簡単なことではありません。
現状では移民の受け入れは仕方がないとしても、将来に問題を残さないためにシンガポール並みのルールが必要だと思います

女性が子どもを産める環境を国と社会を挙げてもっと整えていかねばなりません。
私が住んできた国々の羨ましい少子化対策の例をいくつか示します。

フランス
*産休復帰後、仕事量を80%(週4日勤務)、60%(週3日勤務)での勤務を本人の希望で出せます。会社は拒否出来ません。かなり大多数の人が利用しています。

*3人以上子供を産むと大家族パスというものがもらえ、鉄道や美術館が半額になります。(この政策があったら私は4人目を産んでいたと思います。子沢山で辛いのは教育費やレジャー費をはじめとする経済的負担です。名古屋に家族で帰省するのに新幹線代の往復12万は痛すぎます。そもそも2人育てている母にとって3人目4人目出産のハードルは低いので、3人め以降の家族にもインセンティブを。)

シンガポール
*結婚しないと住宅(HDB)を申請購入することができません。
*30代になると着床率が下がることを学校で教育します。(日本の性教育は避妊がメインだと息子が言っていました)
*働くママは、メイドを安く雇うことができる。(介護家庭も)

などなど
移民政策や少子化政策は、世界に多くの前例があります。ちょっとした政策が子育て家庭には大きな恩恵になるのです。

シンガポールの移民の待遇はかなり厳しいです。最低賃金や労働時間の限度がないので、日本とは比較にならない低賃金、長時間労働をしています。それなのに、どうして移民にこんなに人気があるのだろうと不思議ですが。それは受け入れる制度が文化の受け皿がきちんとしているからではないでしょうか。日本はシンガポールの移民政策からもっと多くを学ぶべきだと思います。


シンガポールの移民政策について書かれた論文(日本語)

移民を受け入れた時の状況が今の日本の状況と似ているので参考になると思います。

観光地で改めて日本の素晴らしさに気づく


ゴールデンウイーク明けから毎週のように3組の友人(アメリカ人2組、ベルギー人1家族)が訪ねて、我が家に泊まってくれたので、観光案内をしました。

その中で、日本人にとって当たり前のことで、色々と驚かれ、私も多くの気づきを得ました。

フランス、シンガポール、アメリカに住んで、日本の良さはわかっていましたが、鎌倉などに行って日本が素晴らしい観光資源に恵まれているということを改めて実感しました。

喜んでもらえたこと

1)物価

以前は高すぎるという問題もありましたが、世界中で物価が上がっている中で、日本は物価がほとんど変わっていないため、海外の人たちから見た日本の物価は相対的に安くなっています
みんな「日本の物価は意外と安い」と喜んでいます。



2)礼儀正しさ
ゴミを捨てない、駅では一方通行を守る、店員の丁寧な対応、神社寺院での作法など私たちにとって当たり前のことが、礼儀正しく見えるようです。アメリカの中高生に見せたいと言われました。

3)歴史
鎌倉に行ったとき、8世紀に建てられた杉本寺、13世紀に建てられた円覚寺、東慶寺、大仏などを見たのですが、作られた時期を知るだけで、歴史の浅いアメリカ人やシンガポール人は驚きます。(きっと京都ではもっと驚くことでしょう)
改めて、歴史建造物を大事に伝え続けてくれている方々に私も感謝の気持ちを新たにしました。
「君が代」の歌に出てくる「さざれ石」
「石灰質角礫岩 雨水に溶解して、その石灰分を含んだ水が時には粘着力の強い乳状態となって、
地下において小石を集結して次第に大きくなり、やがてそれが地上に出」てくる。と書いてあります。
アメリカやフランスの国家は軍歌のようですが、日本の国歌は悠久の平和の願いに満ちています。

4)文化
禅文化、仏教文化、神道、茶道、華道、どれも世界に誇れる美しい文化だと改めて思いました。写真で見るのと実際に見るのでは大違いです。
渋谷に戻り、ポップカルチャーや、阪神戦中継中の大阪のお好み焼き屋さんにも行き、究極の静寂と喧騒を体験しました。


5)自然
山と涼しい気候
山と新緑、涼しい気候、季節の花々
どれもシンガポールやテキサス州ヒューストンにないものです。

あしかがフラワーパークの大藤 大きさ美しさともに世界一です。写真では伝えられない香りです。


アメリカ人が驚いたことの番外編

1)カップル、家族づれ、子どもが少ない。
銀座の夜景の綺麗なレストランでも、平日の観光地でも、異性カップルが少なく(いたとしたら外国人)、スーツを着たビジネスマンや、女性グループでした。お誕生日を女性2人で祝っている可愛い女性がいて、「仕事をしていない男性は何しているの」と聞かれて困ってしまいました。

2)銃を持っていない
人口密度の低いテキサス出身の友人にとって、信号が変わるごとに何百人もの人が交差する交差点は驚きのようでした。そして、「この中の誰も銃を持っていなんだよ」というとそのことにも感心されました。
当たり前が当たり前じゃないんですよね


逆にシンガポールやインドネシアにあって、日本にないものもたくさんあります。

絶叫ウォータースライダーや澄んだビーチ、ガーデンバイザベイやそのショーといったハード面から

ハングリー精神、社会貢献への責任感、異なる文化や宗教と共存する心、愛国心、家族を持とうという気持ちといったソフト面まで。

行って初めていろいろ気づくことがあります。

そうしたものをたくさん取り入れてツアーを作っています。

現在のところお申し込み数は11名です。

最低催行人数まであと4名

6月に入ると燃油費が上がります。

詳しい案内はこちらです。








中高生が反抗するのは親が悪いのでも社会が悪いのでも本人が悪いのでもない

私が引率するのは中高生
第二次反抗期、と言われています。悩みますよねー。

でも、中高生をお持ちのみなさん、
イヤイヤ期といわれる、2歳児が体いっぱいお母さんに反抗している姿を見て、どうお感じになりますか?



あんなころもあったなー
大変だったなー
ってお母さんの大変な気持ちにも共感できますし、

大丈夫、今だけだから、
成長している証拠、
もうちょっとうまくやる方法もあるんだけどなー
ってアドバイスしたくなることもあるでしょう。

また、

今はやめたくないんだよねー
自分で決めたいんだよね〜
眠くて虫の居所が悪いんだよね〜
って2歳の子の気持ちもわかりますよね。

3人の息子を育て、中高生と寝食を共にすることの多い私は、思春期の子育てに悩む親の気持ちが、2歳児に悩む親の気持ち同様よくわかります。
そして、2歳児のイライラも、14歳のイライラもわかります。


でも、それをうまく説明できてきたかわかりません。

今回ご紹介したいのはアグネスチャンさんのインタビュー

(引用始まり)

Q. 思春期の反抗にはどう対応すればよいでしょうか? 

アグネス「なぜイライラするのか、その理由について親自身が理解し、その知識を子どもに伝えておきましょう。思春期にイライラするのは、この時期に大量に放出されるホルモンのせい。自分のせいでも、社会のせいでもないのです。そう説明してあげれば落ち着きます。
 わからないから、自分で理由を探すようになるのです。イライラするのは、母親がうるさいからだと思って避けるようになったり、向こうから歩いてくる人が自分を見ているからだとか思って『お前、いま俺を見ただろう?』とケンカをふっかけたりするのです。自分がイライラする理由を、周囲に対して一生懸命探していくうちに、溝ができてしまうんです。
 だから、私は君がイライラするのはママのせいでもない、自分のせいでもない、社会のせいでもない。ホルモンのせいだからねって、説明しました。
 大切なのは、子どもを理解すること。子どもに自分を理解させることなのです」

(引用終わり)

こちらの記事から引用しました。是非全文を読んでください。


中高生のためのシンガポール・インドネシア留学 募集中です。こちらをご覧ください。





バイリンガル教育の美談じゃない現実

留学すればバイリンガルになる
駐在で現地校に入れればバイリンガルになる
日本でインター校に入れればバイリンガルになる
バイリンガル教育は早いうちに始めよう
バイリンガルになれば、帰国入試で一流校に入れて、一流企業に入れる。

成功例の陰にはたくさんの失敗例があります。
幼児の早期教育同様、業者の宣伝に騙されないでください。

深く考えることなく、小学生のお子さんを国内のインターに入れたり、単独長期留学をさせるご家族や、「行けばなんとかなる」と事前の準備もなしに、海外に行かせてしまう(連れて行ってしまう)ご家族を見ると、心から心配になります。
残念な結果もたくさん見てきました。

あまりに基本的なことをご存知ない方が多くて驚くこともあります。
今日も、相談をお受けしました。
私がお話しすると、「そんなこと知らなかった。美談しか耳にしない」とおっしゃっていました。

ですから今日も書かせてください。

セミリンガル、または、ダブル・リミテッド、という言葉をご存知でしょうか?
母国語(日本語)と外国語 のどちらも、年齢相応のレベルに達していない状態です。

私たちは言葉で考えます。
国語のみならず、数学も、理科も、社会も、言葉を介して学びます。
読書から多くを学びます。
母国語でも英語でもいいのですが、どちらかは年齢相応の教育レベルが必要です。
第一言語の確立なしにバイリンガルはありえません。
確立、とは、日常会話がわかる、というレベルではありません。
本が読めて、深く思考できるレベルです。

特に、幼児のぺらぺらには注意です。
耳から聞いたことを丸暗記しているだけですので、帰国して放っておくとすっかり忘れてしまいます。
ただ、今は、質の高い保持教室(帰国子女アカデミーやJ Prepなど)などがあり、見事に維持されている方もたくさんいらっしゃいます。そういうご家庭は、日本語も英語もきちんと教育されています。

海外に行けばなんとかなる、も危険です。
小学生にとって、英語だけの環境に入れられることは、私たちが全く字が読めないアラビア語とかベトナム語の環境に放り込まれるのと同じです。
子どもは言葉を介さなくても遊べるので、楽しんで学校から帰ってきます。
でも授業で言葉が聞き取れるようになって、授業が理解できるようになるまで、多くの時間を失います。
アメリカにいた時、英語を教えた小学生は、半年間、現地の学校に通っていても、英検4級レベルもわかっていませんでした。当然、他の教科の勉強も遅れます。
日本人で固まったり、勉強ができないグループに入ったり、勉強が嫌いになってしまうことがあります。

中高生の留学や転勤では、言葉ができないために現地で友達ができなかったり、授業が遅れるという問題もあります。

保護者の方が英語がわからないと、お子さんの外国語レベルがわからないこともあります。幼稚な英語やフランス語しか話していないのに満足している日本人家庭も見てきています。

これらの問題は、出発までに基本文法を教えておくことで回避できます。
帯同するな、とは言っていません。

年齢、環境、お子様のタイプによって、対策は異なりますが、基本すぎる基本は以下のとおり。

基本は
1)セミリンガル(ダブルリミテッド 両言語とも中途半端)にしないように注意する。
2)出国前に英語(特に文法やリスニング)を学んでから行く。
3)9歳前後の長期滞在は、文化アイデンティティの確立にも注意
4)小学低学年で帰国した場合は、保持が困難と理解し、母国語教育や読み聞かせに注力

詳しくは、本ブログの「年齢段階に応じた英語の学び方」に書きました。
私と同じ考えでもっと詳しくわかりやすくでている記事が、
日本育ちの子をインターに入れるのは愚の骨頂だ」(2018年1月FRaU)
です。

ただ、私は、十分なお金があって、家庭できちんと英語や日本語のフォローができるのであれば、幼稚園でインターに入れるという選択肢も捨てていません。
インターや留学や駐在など、英語に浸すことはうまく行けば、成果が上がります。
2週間の留学で1年分、1年間の留学で10年分の成果が出るでしょう。

私が見てきたお子さんをバイリンガルに育てているご家庭に共通している点は、
1)日常会話ができればいい、とは決して思っておらず、母語の大切さを理解し、家庭内の語彙も豊かで、読書や現地の学校の勉強を重視している。

の、一言に尽きます。

「中高生のためのシンガポール・インドネシア留学」は語学留学です。
単なる日常会話ではなく、深く広く考えるツールとしての語学力を身に付けることを目指しています
様々な経験を通して成長してくれることを望んでいろいろ企画していますが、メインは語学教育です。

2013年に最初に連れて行った高校生は、授業が理解できるようになるのに、1週間かかりました。ホストファミリーや現地の友達と基本的なことも話せずとても苦しい思いをしました。
それ以来、生徒全員、出発前のオンライン英会話を義務付けています。
不思議と勉強嫌いの生徒さんたちも毎日受講してくれます。
中高生っていう時期は友達を作りたい時期だからでしょう。

2週間現地に行けば、すぐにペラペラになるなんて、私は決して申しません。
ペラペラになれば将来が開けるとも思っていません。
日本人がバイリンガルになるのは簡単ではありません。
でも、英語ができることでいろんな可能性が開ける現実も伝えます。
最大限の成果を出すためにどうしたらいいのか、いつも考えています。

5月12日(日)17時から 秋葉原のCampus Plus Akihabaraにて
中高生で留学した生徒たちが「美談ではない留学説明会」を開きます。

一般的に留学業者が語らないような「失敗談」そして「そうならないための準備」についてパネルディスカッションをします。
お子さんにはぜひ見てもらいたいイベントです。
中高生だけで企画して、スポンサーも見つけて、無料のイベントにしたあたり、海外でみにつけた逞しさが見え隠れします。
うちの三男も企画段階から関わっています。

私も片隅にいます。
留学を迷っている中高生は行ってみてください。





















お金をかけずに、外国人と触れ合う方法

留学をするのにはお金がかかりますね。
でも、お金をかけずに英語を身につける方法はいくらでもあります。

1)ホストファミリーになる
三男が通う高校には、ホームスティ登録制度があります。
さっそくアメリカからの生徒を受け入れることになりそうです。
他の団体からも、ホストファミリーを頼まれています。
楽しいし、家も片付くし(人が来る前には片付けます)、掛け替えのない友達や思い出ができます。
もしも、高校生や大学生のホストファミリーになりたいというかたはご連絡ください。
ご紹介できると思いますし、アドバイスもできると思います。


2)ルームシェア 
私は大学生1年生から3年生まで姉と住んでいましたが、姉が就職して出て行った後すぐにオーストラリア人の女の子に住んでもらいました。その半年間の楽しかったこと!
一日中、おしゃべりをしていました。
この半年がなければ、私は決して通訳になれていませんでした。
私の人生を変えた半年間です。
無料、というか、家賃は半額になって、英語が学べて、楽しくて、ルームシェアはお勧めです。
彼女とはお互いに3人の子どもを持つ母親になった今でも仲良しです。

3)観光案内ボランティア
最近は、毎月のように、海外から友達が訪ねてきます。
東京に何十年住んでいても、意外と観光スポットには行かないことが多く、行ってみると確かに素敵で、いい写真も撮れます。
また、神社やお寺や観光地や食事の説明をするとき、改めて自分の文化や伝統に気づくことがよくあります。
家に泊めることができなくても、海外からの高校生と一緒に街に繰り出したい、というかたもご連絡ください。

初めてのことをやってみるのってちょっと勇気がいりますよね。
でも、リスクテイクや挑戦って我が家の教育のキーワードでもあります。
計画の時点で、リスクヘッジはしますが、何かが起これば、解決すればいい。
問題解決能力も身につきます。失敗は経験となります。
今の時代、なにもしないことが最大のリスクです。

大切なのは、一歩を踏み出すことではないでしょうか。

コンフォートゾーンから出る訓練の旅、プロデュースしています。
6月になると、燃油費が上がってしまいます。

詳しい案内はこちらです。
お申し込みはこちらです。












2019年夏ツアー 

中高生のためのシンガポール・インドネシア留学 2019夏 大募集中です。

36時間の英語授業(+宿題サポート)、ガイド付き観光(ワークシート付き)、ユニバーサルスタジオ、リゾート島キャンプ、現地の高校でSDGs授業、ボランティア活動など、よく学び、よく食べ、よく遊び、たくさんの友達を作り、中高生の経験値をあげる留学を作っています。
ご参加していただくか、シェアしていただけると嬉しいです。

期間: 2019年7月27日から8月11日(2週間)
プログラム料金: 298000円+航空運賃
対象:中1ー高3

詳しい情報は http://bit.ly/2DA2cJ2
高1の三男が(2-3時間で)作ったプロモーション動画はこちらです。
(日本語が高校生バージョンですみません)



WSC(World Scholar's Cup)の国内予選通過

「高校生のGROWTH HUB」というFBグループ(お勧めです)の新年会で出会った「意識の高い」高校生たちから刺激を受け、高1の三男は、WSC(World Scholar’s Cup) への出場を決意しました。
塾で同じクラスだった2人の帰国子女とチームを結成、ゴールデンウイーク中に国内予選がありました。私の家で勉強していたので横で聞いていたのですが内容があまりに高度で私も アメリカ人大学院生もびっくりしました。

2019年のテーマは、The world of Margins (周辺の世界)
様々な切り口から、周辺に追いやられてしまった人々のことを考えます。
社会学(社会の周辺)、
文学(周辺からの声)、
科学(技術の実用化)、
芸術音楽(言葉よりも声高に)、
歴史(無視されてきた歴史)、
特別分野(解決されないミステリー) 
の6分野から、3人組のチームが
早押しクイズ、筆記テスト、エッセー、ディベートなどで、考える力を競います。
あらかじめ、多くの質問が出され、参加生徒たちは調べて、理解した上で参加します。
中身に興味のある方はこちら(英語です)をご覧ください。 
大学レベルだと思います。しかも英語です。
英語はあくまでもツールでしかなく、学校の勉強は好きでなくても、WSCの勉強は楽しい、と言う生徒も多いと思います。

三男のチームは無事、予選通過して、8月にシドニーで開かれる世界予選に進出です。
この大会でトップ20%に入れれば、イェール大学で開かれる世界決勝大会に進めます。





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